新ダイナミックラボについて

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ダイナミックラボとは

鹿児島県日置市の廃保育園に作られた工房です。一般社団法人その辺のもので生きるが運営し、代表理事は私、テンダーです。

2023年3/31まではお隣の南さつま市にてファブラボとして開放していましたが、日置市への移転を機にテンダーの個人研究所として形態を変えました。

ファブラボとは、レーザーカッターや3Dプリンタなど、コンピューターで制御できる工作機械、その他各種工具などが置かれ、専門職ではない人々でも気軽に高度な道具を使うことができる、開かれた「市民工房」のことです。

世界初のファブラボは1998年にインドの田舎とボストンのスラム街からスタートし(困っている人ほど高度な技術が必要だ、という創始者の思想から)、今では世界に数百カ所を数えるほどになりました。

とりわけ、ダイナミックラボでは廃材や廃物の利用と、自然技術の伝承、生態系が豊かになることを目的とし、運営しています。

具体的には、間伐材の利用、廃プラスチックの破砕及び再生利用、アルミ缶の利用、電気・水・ガスからのオフグリッド、リン・窒素を海に放出しない下水システムの自作などが挙げられます。

自然技術の伝承については、鹿児島の豊かな自然下でのサバイバルキャンプの実施や、生き物の解体・調理方法の伝承、先住民技術のワークショップなどを提供しています。

なんのために?

ひとつは、地球の金属や化石燃料は有限であり、私たちはその大部分を20世紀で使ってしまったからです。

経済成長や文明の発達とされるものは、次世代分の地下資源を今の世代が使うことで成立しています。要は、資源の前借り状態です。
それを続ければ、当然次世代が使える地下資源の量は減り、ともすればなくなってしまうので、いずれ希少な物質を奪い合う世の中が来るかもしれません。

ゆえに、ダイナミックラボでは、希少な地下資源を「いかに掘るか」という考え方よりも、地表に出回って廃棄されているかつて地下資源だったものを「いかに使うか」に重きを置いています。

すると、他者と競争せずに、貴重な物質を使うことができ、さらには原価の仕入れにコストもかからず、輸入のためのエネルギーもかからなくなります。つまり、ゴミを使うことは誰かを困らせずに、次世代と環境への負担を減らすことにつながります。


ふたつめに、お金というものがひどく曖昧だからです。

信用創造という、借金を成長とみなすシステムの上に日本の資本システムは成り立っています。そして経済の礎となっているドル紙幣は、1971年にニクソン大統領が金本位制度をやめた結果、何も担保がなくても刷ることができます(ちなみにドルを発行する連邦準備銀行は、政府機関ではなく一民間企業です)。

この、実体のないような仕組みに与して成長の幻影を追うよりも、有限の地球で、有限の物質をどう使うかをダイナミックラボでは重視します。

成長の限界を迎えるであろう地球の中で、今後財産になるものは貨幣ではなく「技術と信頼」だと私は考えます。


みっつめに、答えを知っている者は答えを生きる責任がある、と私は思うのです。

私はアメリカの先住民技術の学校で、この地球上に1万年間持続した技術を学びました。人類が保持する最も持続可能な技術は、今のところ先住民技術なのです。ところが、先史時代には、プラスチックも核のゴミもなかったので、先住民技術にはその解決法がないのです。

そうであるならば、今の時代を生きる私たちが、プラスチックや核について答えを出し、これから1万年先に残る「次の先住民技術足りえるもの」を確立したいと私は思うのです。

どんなことも、口で言うのは簡単です。だから態度として、答えを知っている者は答えを生きる責任がある。

それを体現し、研究するための場所としてダイナミックラボは誕生しました。

※その他沿革は ダイナミックラボの履歴をご覧ください。


ダイナミックラボを運営する「一般社団法人その辺のもので生きる」について

代表理事 小崎悠太(テンダー)
理事 梶原香央里
理事 神明竜平
外部相談役 藤原祥弘

登記 2016年11月29日

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