[保存版] ご家庭用アイロンを使い、プラごみからめちゃんこカワイイアクセサリーを作る

ダイナミックラボにて、オランダのプラごみから物を作るオープンソースプロジェクト「Precious Plastic」に関わること3年、創始者のDave Hakkens さんからTwitterにて
https://twitter.com/davehakkens/status/927636464627867648?s=20


日本代表のお墨付きをもらい、その後細々と妻・麻里子が Precious Plastic Japanを立ち上げ、あんまり更新もしてないのに気づけばフォロワーさんが500名を超えるまでになっていた昨今。

ダイナミックラボ自体は、precious plasticの機材をコツコツ作ったり発注したりで

・インジェクションマシン
・シュレッダー(これはハラダ精工さんに発注した)
・エクストルージョン
・アイロンプレス
・プラ溶接機(ヤフオク購入)

などなどの機器を豪華に揃えて、Precious Plastic Japan を名乗っても恥ずかしくない状況ではあるのだけど、プラスチックの使い方を全然説明していない! ということで、祝Precious Plastic Japanの初記事を書きます。 内容は、海外からも問い合わせのある「ペットボトルキャップからアクセサリーを作る」ですよ!

ご家庭用のアイロンと、簡単に手に入る道具だけでプラゴミから美しいアクセサリーができること請け合い!

(製作指導 / Precious Plastic Japan 麻里子)

目次

00 – 必要な道具

ペットボトルキャップをリメイクするために必要な道具
ペットボトルキャップをリメイクするために必要な道具
・ニッパー
・ピンセット(先細が良い)
・アイロン
・クッキングシート ・あとはペットボトルキャップ(ポリプロピレン = PP = 極めて無害なプラスチック!)
・作りたいアクセサリーの枠(今回は100均モノを使用。シンプルな形状推奨)

01 – ペットボトルキャップをニッパーで切る

ペットボトルキャップをニッパーで切る

ペットボトルキャップをペレット(砕片)にする。
プラ用のシュレッダーがあればそれを使えば簡単だけど、まずご家庭にはないので、そんなときはニッパーを使いましょう。

切断した破片が飛び散らないように、親指で抑えながら切るのがコツ。

ペットボトルキャップをニッパーで切る

切り取るサイズは、小さいものから大きいものまで、デザインに応じていろいろあると使いやすい。

02 – クッキングシートを広げて、アクセサリー枠を置く。その中にペレットを盛る

クッキングシート

クッキングシートは、アクセサリー枠が置ける広さの2倍があれば十分。

ペレットをアクセサリー枠に入れる

ここにアクセサリー枠を置き、ペレットを山盛り盛る!

アクセサリー枠に入れるペレットの量

横から見るとこれくらい。
ペレットの間には小さな空隙がたくさんあるので、これを溶かすとちょうど枠の中に収まるのです。

隙間にペレットを詰める

ペレットが足りなくて隙間が空きそうなところには、ピンセットでちょうど良い大きさのペレットを載っける。こういう細かい作業大事。

03 – いよいよアイロンをかけて、ペレットを溶かす!

アイロンの温度

手持ちのアイロンには温度表示機能がなかったので、一番熱い設定にして非接触温度計で測ったら200度前後でした。ポリプロピレンを変形させられるのはちょうどそのくらい。

クッキングシートをかぶせる
クッキングシートを折り返して、アクセサリー枠の上にかぶせる。 その上にアイロンを載せる。
しばし待って、ペレットが溶けてアイロンが沈む感覚を味わう。


プラスチックペレットにアイロンをかける
沈みきったら、一度アイロンをずらし、アクセサリー枠にペレットがきちんと溶け込んでるか確認する。

このとき、アイロンの先端(尖ってる方)で、アイロン枠からはみ出ているペレットを擦り切ることで、仕上がりがきれいになる。

アイロンではみ出ているペレットを擦り切る
○うまくいってる例(アクセサリー枠の上にペレットが載っていない=アイロンで上手に擦り取れている)

×うまくできてない例(アクセサリー枠の上にペレットが載ってしまっている)

きれいに余分なペレットを擦り切れたら、アイロンをアクセサリー枠に乗せたまま、アイロンのスイッチをオフに。

ポリプロピレンは冷えるときに歪むので、急冷ではなくゆっくり冷やすときれいに仕上がります(=除冷)。ただし、急いでたくさん作りたい場合はアイロン以外の辞書なり重しなりを載せるのもアリ


3分くらいして、アイロンがほどほど冷えたら、クッキングシートを剥がしてみる。

クッキングシートを剥がして確認する

お!きれいにできてますな!(まだ熱いので火傷に注意!)

このときに空隙ができていたり、きれいに詰まっていない場合はさらにペレットを盛って、クッキングシートを当てて再アイロン(Precious Plastic Japan では「追いプラ」と呼んでいます)。

裏も同じように

満足がいくできだったら、裏返して同じ手順(ペレットを盛って、クッキングシートを当てて、アイロンで加熱、沈み込むのを待ち、はみ出ているペレットをアイロンで擦り切る)。

アクセサリー枠をひっくり返す
裏面を確認する
裏面にペレットを盛る

そして裏面もゆっくり冷やし、クッキングシートを外す。

うまくいったかな?

04 – 余分なペレット外す

ペレットを指で剥がす

うまくペレットが擦り取れていれば、指でぺりぺりはみ出た部分をはがすことができる。

ペレットを指で剥がす
指で綺麗に剥がせない時は、カッターナイフで枠とペレットの境目を切る。

ペレットをカッターで切る
ペレットをカッターで切る
あら完成!

作業時間にして15分くらい。とっても簡単なのでやってみてね!
上手になるとこんな感じのものが作れます!

ちょっとだけ補足説明

今回使っているペットボトルキャップはポリプロピレン(=PP)というものです。可塑性があり、有害物質が出ず、扱いやすいもの。

168度から溶け始めるので、アイロン、オーブンなどで溶かすこともできます。
(ヒートガンなどでも溶けますが、局所的な熱で溶かすよりも、面の熱で溶かした方が造形しやすい実感です)

そして、 Precious Plastic Japanのインスタアカウントでは、麻里子さんと私が折々に作った制作物をアップしています。よかったらフォローしてね!

ではまた!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

考えて、作り、実践して、伝える作業を繰り返しています。 版元を作り出版した著書「わがや電力」は直販にて14000部を売上げ。 先住民技術、NVCとシステム思考、オープンソースハードウェアの知恵を使い、生態系を模倣する文明を研究中。鹿児島の廃保育園にて環境問題を解決するための工房・ダイナミックラボを運営

コメント

コメント一覧 (8件)

  • マイクロプラスチックでやってみたいのですが、ペットボトルキャップでないと有毒ガス等発生して危険ですか?

    • ???
      ご質問がよくわかりません。

      マイクロなのかどうかといったプラスチックのサイズが問題なのではなく、材質が問題です。
      ペットボトルキャップはポリプロピレンで毒性が低いとされています。

      • 説明不足ですみません。ビーチクリーンで拾ったマイクロプラスティックなので、材質はわかりません。その状態で溶かすのは危険ですか?

  • アクセサリーもリストも大変参考になりました。ありがとうございます。
    海で拾ってきた洗濯バサミの欠片などのプラスチックを水に浮いたもののみ水と重曹で洗ってアイロンで溶かそうとしてみたのですが、換気してもなかなかとれない程アンモニア臭のようなものがして心配になり中断してこのページで確認させていただいたのですが、水に浮いてるものなら体への害は心配ないという感じでしょうか。
    海洋プラスチックだから溶かすと臭いという事もありえますか?

    • yokkoさん

      水に浮くか浮かないかで安全性を判断するのはかなり大雑把だと私は思うので、

      ・まずは素材の表記を見る(PPとかPEとか)、

      ・わからなければ見た目で分ける(一般的に青い200LタンクはPEなど、ある程度決まっています)

      ・それでもわからなければ温度差での溶け具合を見る(PPかPEかで言えば、140度で溶ければ(流動すれば)PE、160度以上で流動すればPP)

      てな感じですかね。

      アンモニア臭が出ている時点で、PPでもPEでもないと思うので(もしくは他の何かが付着している)、やめたほうがいいと思います。

      海洋プラだからどう、ではなくて、何がついてればどう、という話だと思います。

  • 頂いた表以外にも色んな物が付着しているプラスチックがあるという事ですね。
    臭いものは辞めておきます。
    九州まではなかなか行けませんが、またオンラインセミナーなどもございましたら参加させて頂きたいと思います。
    ありがとうございました。

  • 簡単に取れないように接着するにはどうすればいいでしょうか

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次