3/10,11 先住民技術でツバキの弓矢を作る2日間

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いやはや、久々のがっつり先住民技術ワークショップです。嬉しい。

というわけで、わたくしテンダーの先住民技術仲間のブンさんが「山に入ってヤブツバキを採集し、翌日には弓としておおかた完成させる」ワークショップを提案してくれました。

めっちゃ楽しみ、定員8名!
参加費は二日通しで8000円。

内容を熟読の上、ご参加はページ下部のフォームから!

目次

講師紹介:ブンさん

 私たちをとりまく生活圏には産業的なモノが溢れかえっていて、どれが本当は必要のないガラクタか、どれが本当に自分にとって必要なものなのか、よくわからなくなってしまいますよね。
おカネで買えてしまう、ものすごく限られたリアリティのうちで生を営むほうがあたりまえで楽に思われる時があります。
でもその“シェルター”のそとに地球の生成の厳密なリアリティが存在していることは100年前も、1万年前も、そして100年後も1万年後も、決して変わることはないでしょう。
21世紀的な、産業的な生活圏から外へ飛び出して地球の生成に身をゆだねる必要があるとき、私たちは自分の手に、からだに、遺伝子に、かつて存在した知恵と思索を探し求める遡上の旅をしなくてはなりません。

略歴
1967年   愛知県 岡崎市生まれ
1993-94年 アリゾナ州でナヴァホ・ホピ族と暮らしていろいろ学ぶ
1998-99年 グリーンランド Maniitsoqで伝統的なカヤック(QAJAQ)の作りかた、漕ぎかた、アザラシ猟について学ぶ
2002-03年 青年海外協力隊員でチュニジア派遣。極南部の砂漠でベルベル人の要塞集落”Ksour”の復元と観光資源開発に従事
2005-09年 種子島で肉体労働しながら現地の丸木舟に関するリサーチを実施。それをもとに09年にトンガ式アウトリガーカヌーを制作
2012-現在 鹿児島県吹上町永吉に家族3人+犬と暮らす。
17年には地域の杉材で丸木舟を完成、進水。
18年には定期海上運用を目指して調整中。

いま取り組んでいること:
南サハラのトゥアレグ族のコミュニティ音楽である”テンデ”に刺激を受け、全周囲どこからでも/だれでも参加可能な音楽セッションを考案中です。

1.イントロダクション(座学) 3/10 10:00〜

1-A 弓矢でできること・できないこと(座学30分)

・サバイバルクラフトとしての弓矢
・自然の中へ入るときの必需品としての弓矢 狩猟採集民のやさしいタッチを知るために・・・。
・日本での狩猟に関する法律、県の漁業規則にについて 現状、漁でも猟でも使えません!
・Let’s 弓でうちあい! 危険のない弓矢遊びの提案

1-B 歴史(座学30分)

・最後のヤヒ族“イシ”の弓 北米のシンプルなワンピース単弓
・日本における弓の進化の歴史 縄文時代にはじまり、日本独自の非対称系弓発生の弥生-古墳時代
・戦闘道具としての和弓の構造的変遷(構造と射法、和弓の独自性と優位点について)
・世界での弓の利用法(ブータンの弓競技、ハンガリー・トルコ・モンゴル・韓国
・ユーラシア・ステップに伝わる強力な弓の歴史について)

1-C 射法いろいろ(座学・デモ・体験60分)

・アーチャーズ・パラドックスを克服するために(弓道メソッドとイシの射法、現代の競技用アーチェリーの技との比較)
 (弓の構造+付属品で解決を目指すかor射手の修練で克服するか?)
・リリースの種類(モンゴル式、地中海式、北米式の紹介 それぞれの分布と特徴、利点など)
・インスティンクティヴ・シューティングの基礎(現代アーチェリー競技より短い距離で、サイティングなしで射る実戦的射法の研究)
・Close-Quarter-Practiceのやりかた まずは5m離れた空き缶に当てる練習をしよう!
・矢は左右どっちにつがえるの? アーチャーズ・パラドックス対策と連射のスピード
・引き強度と引き長さ→矢の飛距離との関係
・飛距離重視かストッピング・パワー重視か?・・・矢の作り方に関する重要なポイントについて。

1-D どうやってつくるのか 概説(座学・デモ40分)

・“イシの弓”をつくろう!
・必要な材料を取りに行く(冬のヤブツバキとセイタカアワダチソウ)
・必要な工具・道具(なた、丸鉋、ナイフ、サンダー)の紹介
・よくあるトラブルとその対処方法(機械製材-乾燥された市販木材だとなぜうまくいかないのか?)

2.材料を採りに山へ入る 3/10 午後

2-A 弓の材料 冬のヤブツバキ・ミズメ・ケヤキの若木を探す

・弓に向いている若木を選ぶ
・アニミスト実践:山の生態系になるべくダメージの少ない木を選ぶ。ちゃんとお声掛けして伐ろう!

2-B 矢の材料 冬のセイタカアワダチソウを探す

・シャフトに最適な堅くて強いやつはどんなところに生えているのか?

3.採ってきた丸木から製材し、形状を整える 3/11

3-A 丸木を割る

・材の中心線をけがき、弓のアウトラインを描く
・弓の長さはどうやって決める?

3-B なたを使って大削り

・ケガキ線の外まで大胆に削る!

3-C 丸鉋で整形 

・ケガキ線まで慎重に削る

3-D 弓の“腹側”の削り

・弓の引き強度(=威力)を決める重要なプロセス

3-E 仮張りと腹側の削りを繰り返す

・技術は当日のお楽しみ!

4.養生

・作った弓に変な癖をつけずに乾燥させるための諸注意
(※ 使える弓として完成するのは春の終わり頃になる予定!)

イベント詳細

場所: ダイナミックラボ
時間: 3/10、10時から
参加費: 2日通しで8000円。宿泊もドネーション(寄付)にて可能です。
必要なもの: あればマイナイフ(お持ちでない場合、ダイナミックラボ店頭にてモラナイフを販売しています。)、軍手、汚れてもいい格好、山を歩ける靴

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この記事を書いた人

考えて、作り、実践して、伝える作業を繰り返しています。 版元を作り出版した著書「わがや電力」は直販にて15000部を売上げ。 先住民技術、NVCとシステム思考、環境再生技術の知恵を使い、生態系を模倣する文明を研究中。鹿児島の廃保育園にて環境問題を解決するための工房・ダイナミックラボを運営

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