どうもこんちくわ!
テンダーです。
さてはて、めでたく年もあけたわけですが、いかんせん
ダイナミックラボは寒い!
何しろ、南国鹿児島にも関わらず雪の降る山岳地にあるうえに、
鉄筋コンクリートの巨大な塊の廃校は、霜降る夜の冷気を一身に取り込んでしまうのであった・・・!(=ナチュラル非電化冷蔵庫!)
というわけで、巨大な廃校を温めようといくら薪を燃やしたところで、圧倒的な夜の冷気の前にもちろん敵わず、だとしたら対抗策は昼の光だ!太陽熱だ!
太陽熱をなるべく校舎に取り込んで、コンクリートを温める&ちょっとずつ外断熱を 指定校 していこう。
てな経緯で、太陽熱を屋内に取り込むソーラーウォールを作ろうと思い立ちましたとさ。
(それに、あの禅僧バグワン・シュリ・ラジネーシも「闇というものは存在しない。光の不在があるだけだ」と言っているじゃないか!)
彼を知り己を知ればなんとやら、ソーラーウォールを調べるぞ
さてはて、こういう適正技術を調べるときに最初に立ちはだかるのが言語の壁。
日本はハイテク大好き国なので、適正技術がいまいち広まってないために、情報ソースが極端に少ないとわたくし思うのです。
てなわけで英語でググること数十分。
こちら様のサイトを見つけましたよ!
DIY Solar Air Heating Collectors: Pop Can vs Screen Absorbers
(意味がわからないよりはるかにマシなので、毎度英語で検索して、google翻訳して読解してます)
こちらは、空き缶で作るソーラーウォールと、グラスファイバーメッシュ(強い網戸)で作るソーラーウォールのどっちがどのように優れているかを、データを取って検証しているページ。いやー、ありがたい。
今までわたくし、空き缶式のソーラーウォールしか知らなくて「100本も空き缶繋げられるかい!」と思ってソーラーウォールに取り組まなかったのだけど、こちらを見ると、なんと
網戸式の方が効率がいい & 作るの簡単 & 大して予算は変わらない!!!
なんと、、、なんともはや。
どちらの方式でも、ソーラーウォールの入り口と出口で、およそ30度温度が上がるそうな。
30度ってあなた、30度エアコンで温めようとしたら、ヘソで茶が湧いちゃうぜ!
そういうわけで、もう網戸式でいいじゃん! と、わたくしなりましたよ。
(空き缶ゴミから作れるのも魅力的だけど、廃校全体を温める量の空き缶を集めようと思うとめまいがする)
さらに初めて知ったのは、1メートル四方に降り注ぐ太陽熱は1000Wにもなるらしい。
1000Wって小型のエアコン1台分くらいね。すげー!
インターンの江坂くんに手伝ってもらって、
他のサイトもピックアップ。
Types of DIY/homemade solar air heater
こちらでは、外につけたソーラーウォールで屋内の空気を温めるバックパス式を紹介。
気密性の高い住宅では良いと思うんだけど、建物全体が冷えるダイナミックラボでは、屋内より外の方が暖かいことが多々あるので、今回は却下。
というわけで今回は網戸を作ったマトリックス式(膜という意味合いか?)を採用だ!
ソーラーウォールの暫定基本設計
どん。
これが基本設計図。とりあえずのテスト用なので、細かいところは暫時改良します。
(特に防水処理や断熱周りは必ず改良するつもり)
(クリックで拡大します)
熱の移動としては、
1.太陽熱が、黒いグラスファイバーメッシュに貯まる(=蓄熱)、
2.グラスファイバーメッシュより背面側の、ソーラーウォール内部が温まる(=黒いから)。
3.ソーラーウォール内部が温まることによって、内部に上昇気流が発生する
4.外気が下部の吸気口から、ソーラーウォール内に流入する
5.外気がグラスファイバーメッシュに触れたときに、メッシュに蓄えられた熱を外気が奪う(=熱交換)
6.より温まった外気(もはや熱風)が、上部の排気口よりアルミダクトを通って屋内に入る
7.ラボが温まって、みんな嬉しい
てな感じ、たぶん。
7番目がもしかしたら違うかも。勘違いかも。
みんななんか・・・いないかも。(涙で明日が見えない)
涙を拭って英語サイトを見ると、最初のアルミ缶との比較サイトでは、吸気口にモーター&ファンをつけてたんだけど、これはなんと
ソーラーウォール内が温まりすぎないようにするため。
ソーラーウォール内部が暖まりすぎると、外気との温度差が大きくなり、その結果、ソーラーウォールのいたるところから熱が逃げていってしまうそうな。ゆえに、ある程度速く温度を室内に移動させて、ソーラーウォールからの損失を防ぐ目的、とのこと。
理屈ではわかるけど、感覚的にわからなかったので、これは一旦完成してからやってみよう。
太陽光発電研究者、マーティン現る。
やろうやろうと言いながら、バタバタと忙しいダイナミックラボの日々。
忙殺されてお蔵入りしてしまうこともしばしば、その状況が頭をよぎったかと思うと、
マーティン登場。
なんとマーティンさんは筑波で太陽光発電を研究していた科学者、しかもわたくしと同じように家の電源を契約せずに全てオフグリッド発電でまかなっていた猛者であった。
じゃあそれなら、ということで急遽マーティンさんも交えてソーラーウォール製作開始(夕方スタート)。
マーティンさんは日英独の3ヶ国語が話せるようだったので、英語ページも翻訳してもらいながら、パッパッと制作が進む。
外枠が完成。
インターンの江坂くんに「1インチ厚の板を買ってきて!」って頼んだのに、買ってきたのが 3/4インチ厚だったので、とりあえず3/4インチの板を使用。1インチより3/4インチの方が覚えづらいじゃないか、江坂めー!
(もちろん厚い方が断熱性能が上がる)
吸気口と排気口は適当に位置を決めて150φ(150mm径の穴を)開けた。なるべく端っこだけど、今後何かを固定しようと思ったときにのりしろの残る幅分を残したよ。
記念に3人でパチリ。
すっかり暗くなったので今日はここまで。
翌朝、雪の降る寒い中、
内部を黒ラッカーで塗ってから、
グラスファイバーメッシュを貼った。
黒ラッカーはアサヒペンの黒耐熱塗料が、熱放射的にもいいらしいけど、手に入らなかったので安い黒ラッカー(設置からしばらくは変な匂いがするであろう=体によくなさそう)を使用。
グラスファイバーメッシュはこちらから購入。いっぱい作るつもりなので60m巻で購入。
ちなみにこのソーラーウォールを一つ作るのに、6M弱のグラスファイバーメッシュが必要。
メッシュの貼り方はちょっと工夫がいる。うまく段取らないと貼れないので、うまく段取った!(えへん)
ここまできたら、あとはオモテ面にポリカのハモニカボードを張る。
色々考えたけど、アクリル系の両面テープで貼りました。
後から剥がせて改良しやすいし、ポリカに穴を開けないことを優先。
今後は、ここにプレシャスプラスチックで作るサッシをつけるつもり。どうだいいだろう!
というわけで・・・・
できた。あっさりできちゃった。
しかも、ソーラーウォールの見た目がちょっとカッコいい。
考えながらやったから、のべ8時間くらいかかってると思うけど、ワークショップにしたら多分2時間くらいだと思う。
みなさん見てやってください。インターン江坂のドヤ顔を。
夢に出てきそうでしょう。
テストだテスト! 作ったらテストだホイ!
アルミダクトをつけると、そこで熱損失ができて、結果がわかりづらくなりそうなので、まずは排気口に手を当てるだけのテスト。
このときすでに15時頃、もうお日様は西日になりかけているところ。
ソーラーウォールを置いたのも、全然太陽に直角ではなかったのだけど(思いのほか重い&でかいので動かしづらい)、
・・・現場の江坂さーん、排気口に手を当てた感じは、どんな感じですかー???
お。
おおお?!
なにその表情ーーー!!!
みなさん、見てやってください。
うちにインターンに来た江坂が、ソーラーウォールの排気が暖かくてニマニマしてます。
というわけで無事に成功した様子。よかった!
その後、アルミの150φフレキ煙突をつけたのだけど、
ここを立てるだけで煙突効果が働いて排気量アップ。科学は偉大だー!
そして温度を測ると(この温度計は細かいところが大雑把だけど)
なんと外気温10度ほどの状況で、排気の温度が30度!
断熱材を入れてない状況でこの性能、試しにソーラーウォール背面を触るとそこそこ温かいので、断熱材はあった方が良さそう。
あとはファンも入れてないので、試しに江坂くんに吸気口から息で吹いてもらったんだけど、そしたらなんと吹いた分だけ暖かい空気が増えた印象。ファンも有効そうですぞ!
元記事にあったバッフルプレート(吸気した冷気がポリカに当たらないようにする&空気の流れを整える)は、マーティンと話し合って「あんまり意味ないんじゃない?」ということで省略してみた。これもまた試しにつけてみたりもやるつもり。
いやー、作ってよかった。そしてなんとなく部屋もあったかくなった気がする。
これからちゃんとした温度計をつけて、継続テストだーーー!!!
使った材料のリスト
・ポリカ、ハモニカボード(4mmを使用。理由は手元にあったから)
・厚さ3/4インチ×幅6インチ(18mm×150mm)の板を6メートル
・グラスファイバーメッシュ黒(910mm幅*60M)を6メートル
・コンパネ(1820*910mm)8mm厚
・桟木(20*12*1830)を2本
・アクリル系両面テープ(幅広推奨)
・黒ラッカー
・アルミフレキ煙突150mmφ
・ビス
・タッカー
素材費で 1万円くらいに収まると思う。
1万円で1000Wの暖房、安い!
ちなみに、各ご家庭の電気使用量の53%はエアコンによるもの。
エアコンは夏は家の外を温める装置だし、冬は熱効率悪いし、モノとして未完成だとわたくし思う。
あとは断熱材、防水用のあれやこれや、ファン、ファンを動かす電源などなどが必要になりそう。
日照のある地域の皆さんは是非やってみてね。
ではではー!
コメント
コメント一覧 (22件)
[…] https://sonohen.life/solarwall-test-making/ […]
節電の知恵
エアパス工法とこのソーラーウォールと炭のコラボレーションは、新発明になりそうだわ
壁の内側に空気の流れがある家。ここに炭を仕込むと波動のいい環境が生まれる。
https://t.co/DpXDfXy5mk
埋炭、敷炭には、節電効果があります。LAWSONが年間200万円の節電を実現。
私は、これらの本物の自然エネルギーの普及を目指している
コスタリカ共和村の山下由佳です。
コラボレーションしませんか?世界の知恵の情報ならお任せください。
よくわからないし、節電にも波動にも興味を持っていないので、お断り差し上げまーす。
おおお〜〜
コレ、面白いっスね☆
これを参考にこさえてみまーす♪( ´θ`)ノ
ありがとうございます〜〜
わーお
楽しみじゃ〜
はーい、みんなでやってみて、フィードバックを集約して改良していきましょうー!
自分もソーラーウォールに興味があったのですが詳しい製作方法があまりなく、また、空き缶のものしかみつけられずコーラとビールの毎日を過ごしていました。。。
こちらはすぐにでも作れそうなので早速作ってみまーす!!!
おお、コーラーとビールの日々だったのですね。うらやましいなぁ。
数日運用してわかったのは、表面のポリカを抑えるサッシはあったほうがいいだろう、ということです。
また完成してわかったことがありましたら教えてくださーい!
なるほど、なるほど。
ちなみに、グラスファイバー製ではなく普通の黒網戸では無理でしょうかね?ポリエステル製だったかな。
ポリエステルだと寿命が短いだろう、ということで今回は採用しませんでした!
とりあえず試すくらいなら不足はないと思いますよ!
ありがとうございます。効果の確認とサイズ、修正等を考えるととりあえず普通ので試してみる価値はありそうです。
その後の状況はいかがでしょうか?私も早速つくりました。凄いですね、外気温5℃でも出口は50℃を軽く超えますよ!出口には150ダクトをつけましたが排気ファンがあれば室内はもっと暖まりそうです。
気になるのは大きさと重さですね。枠の材質とサイズいろいろ試してみます。
MR.0さん
おお、それはすごい性能ですね。
むしろ色々教えていただきたいっす。
シリコンシーラントなどで気密は取りましたか?
あと、断熱材の有無を教えてほしいです!
自分はシーリング無し、耐熱塗料だけです。温まった空気を早く送風したくてダイソーUSBファンをソーラーで動かす予定です。
春〜秋までは不要なので、なんとか折りたたみ式で作れないか試行(思考)中です。何かいいアイディアありませんかね〜?
側面をグラスファイバー織り込み繊維などの断熱素材で作れば折りたためはしそうですね。ただ、軽くなると今度は風の影響を受ける(飛んでったり変形したり)すると思うので、周辺環境との兼ね合いだと思います!
[…] 55以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします2019/11/06(水) 07:20:47.563ID:r4YytbV20 https://sonohen.life/solarwall-test-making/ […]
[…] ダイナミックラボ より引用 […]
鳥小屋で使用したいと思いますが、夜間の寒さ対策として使用は可能でしょうか?
日照がなくなったら、温かい空気はすぐでなくなるのか?太陽がなくなってから、どの位の時間温かい空気がでるのか教えてもらえれば助かります
太陽熱をそのまま取り込むための装置なので、日が翳れば常温の空気も出てきません(上昇気流がなくなるため)。
保温をしたいのであれば、水などに蓄熱して床暖房にしたほうが合理的だと思います。
ソーラー温水器の空気版ですね。
この形式なら確かに日当たりの悪い所でも安価に太陽の恩恵を得られそうですね。
私の家は、南向きで足元までガラスなので、室内側に発熱用の黒体を設置するだけで最低気温がマイナスでも晴れの日なら暖房がいらないくらい暖かくなります。
昔ながらの間取りだと、南向きは全面足元までガラスなので、可視光が室内に入り黒体で熱に変換され、ガラスは赤外線を通しにくいので温まりやすいんですよね。
なので日当たりのよい一般家庭ならパネル化しなくても黒体分の材料費だけで済むと思いますよ。
発熱&蓄熱素材を冬の日射の当たる面に配置して、長時間熱が保たれるように家を作る人もいるようです。
庇があれば夏も悪影響が出にくいですし。
事務所ということなので日中利用でしょうし、太陽光利用は賢い選択ですね。
裏面の板の吸気の穴、短くして下に隙間作れば丸い穴作らなくてもいい?
む、そう言われればそうですね。
流入する空気の量と速度と、ウォール移動中にあったまりきれるかどうかがバランスするポイントがあるので、下部の隙間をスライド式にして調整できると何かと良いと思います。
(本家はファン入れてたので、結構な流入があって良いのだと思われます)
[…] *3) ソーラーウォール テンダーさんがラボで試しているレポートを見て知りました。これも単純な仕組みですが、ダイレクトに太陽熱を利用するため無駄がありません。 […]