腕相撲をもっとクリエィティブに! 鳳凰高校サバイバル理科 その3

こんにちは!
鳳凰高校で理科教員をやっているインターンのだいごです!

ブログの更新が大変遅くなり皆様もうお忘れかもしれませんが、前回はシステム思考を使ってあれこれしておりました。

今回からは趣きをガラッと変えて、クリエィティブ腕相撲についてお伝えしたいと思います!!

前回の記事はこちら!
システムを理解せよ 鳳凰高校サバイバル理科 その2

さて、皆さん!クリエィティブ腕相撲という競技をご存知でしょうか!?
注:クリエィティブ腕相撲という公式競技はございません。

今回の授業ではクリエイティブ腕相撲を通じて、生徒にいろいろと考えてもらいたいと思っています。

え? 授業で腕相撲??
しかも、クリエィティブって何???
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

実は、腕相撲について考えるためには物理の知識が欠かせません。

しかも、腕相撲で使われる力について真面目に考え始めると、物理だけでなく身体の構造やその使い方も考えないといけなくて、もう頭の中はゴチャゴチャ。

授業準備の段階では、調べれば調べるほど、奥が深く、わけがわからなくなる…
という状態でした。

体の筋肉のどこを使うかで、腕相撲での力点の位置を変化させることができるので、一言で腕相撲といってもその戦い方は様々。(プロの戦い方については後半で!)


今回は、テコの原理を利用して、どうやって強い相手に打ち勝つか? について生徒と考えました!
目次

テコの原理とは?

理科といえば、テコの原理ですよね〜? (…たぶん)

テコは、小さな力を大きな力に変えるためのものです。

あたりを見回せば、
「あれもテコ!」
「これもテコ!」

(お、これはアルミ缶カッターではないか。) 世の中は、こんなにいっぱいテコであふれているはずなのに
普段、そんなにテコって意識しないですよね?(私だけではないはず…)

でも、一度テコについて知ってしまうと、テコなしで生活することなんて考えられないくらい重要ってことが分かるはず。

テコは3種類。

ここだけの話。
実は、テコって3種類もあるんです! 



え? 知ってた?? 笑

いや、知らない人も中にはいるはず。。。そんな人のために簡単におさらいしましょう。

支点・力点・作用点
みんな一度は聞いたことのある言葉だとは思いますが、

この支点・力点・作用点の位置関係の違いによって、テコは第1種から第3種に分かれます。

簡単な図解を載せておきます。
第1種テコとは、支点が作用点と力点の間にあるもの

第2種テコとは、作用点が支点と力点の間にあるもの

第3種テコとは、力点が支点と作用点の間にあるもの

さらに! もう一つおさらいです。

実は、テコの支点・力点・作用点間の距離を変化させることで、

入れた力をどれだけ大きくできるか? が変わってきます。


たとえば、第1種テコで、支点と力点の位置を近づけると、入れた力に対して作用する力の割合はどうなるでしょうか?



・・・・・



そう!
第1種テコで、支点と力点の距離を変化させるとテコとしてのはたらきも変化する。
支点と力点の位置を近づけてしまうと、入れた力に対して作用する力の割合が小さくなります!

「頑張って力を入れても、なかなか力が伝わりにくくなる。」

つまり、テコとしてのはたらきが小さくなってしまうんですね。

腕相撲で使うテコって?(素人の場合)

理解に苦しんだのが、腕相撲の力点の位置。
支点と作用点は分かりやすいのですが、力点の位置が分かりにくい。。。

テンダーさんといろいろ調べたり、検証してみたりした結果、
「(素人の場合)筋肉が腕の前腕骨を引っ張っている部分」
ここが腕相撲での力点であることに落ち着きました。
つまり、腕相撲(素人の場合)に使うテコは、力点が支点と作用点にある第3種テコということになるのです!

ならば、クリエィティブ腕相撲に人工肘を!

力の弱い人でも、支点や力点の位置関係をずらしてテコを上手く使えば、力の強い人にも勝てるかも…

そんなテコの原理について、生徒にも腕相撲を通して考えて欲しい!

ということで生まれたのが、このアイテム!
その名も「人工肘」(テンダー命名)。

テンダーさんが3D設計して、3Dプリンタで出力しました!
写真のように腕に装着することで

人工的に腕相撲での支点の位置をずらすことができる

なんて便利なアイテムなんでしょうか。

今回は、この人工肘も使って授業を実施しました。

さぁ、授業の始まりだー!!

そんなこんなで始まりました。
鳳凰高校サバイバル理科、クリエイティブ腕相撲!

テンダー「腕相撲って筋肉で決まると思うじゃん?でも、今になって俺が腕相撲で勝てなかった原因は、クリエイティブ不足だったって分かったんだよ。」

意味深な言葉から授業が始まります。

まずは、テコの原理のおさらいから

テンダー「じゃあ、机を持ち上げてもらおうか」

力自慢の男子が二人がかりで机を持ち上げます。 (画像が粗い!!)
そこに大きなバールを持ってきたテンダーさん。
机の下にバールを入れ、簡単に机を持ち上げます。
力に自信のない女子も、指一本で簡単に机を持ち上げられました。
テンダー「これが支点・力点・作用点」

普段は意識することのないテコの原理を生徒へ説明します。

自分の腕相撲力を定量化してみよう!

まずは、ゲストとして招いた剣道部顧問の中脇先生と私が腕相撲!
(これまた画像が粗い!!!) 手首まわり15センチの私が、剣道で鍛え上げられた中脇先生の腕にかなうわけもなく、あっという間に敗北。

テンダー「これだと、中脇先生が腕相撲強い!にしかならない。」

そこで出てきたのが、このアイテム。

そう。タニタの体重計!
テンダー「理科には定量化が必要なんだ

テンダー「これから、この中脇先生に勝てるようにいろいろ考えてもらうけど、まずは自分たちの力を定量化しよう!」
定量化の方法はいたってシンプル!

腕相撲のように自分の前腕を体重計に押し当てるだけ。ただそれだけ。

見るからに力が強そうな生徒の前腕押し当て力(ここでは腕相撲力としよう)が意外と弱かったり、その逆があったり。

一人ひとりが腕相撲力を測り終わるたびに、教室は大盛り上がり。

いや〜定量化ってやっぱり大切なんだなぁ。としみじみ感じる私。 それにしてもテンダーさん、近付き過ぎでしょう笑

テコを使ってボス(中脇先生)を倒せ!

生徒の腕相撲力の定量化が一通り終わったところで、今日の本題!

力の強い人に、力が弱い人が勝つために必要なことは?をテーマに、

下克上腕相撲大会の始まりです!

力の弱い人が勝てるのか?

今回の大会ルールは、いたってシンプル。

① チーム内で腕相撲力が一番弱かった人と、その次に弱かった人がボス(中脇先生)に挑む。
② 対戦する前に各チーム条件を提示することができる。


以上!

提示する条件は、たとえば、「指一本で」とか「人工肘をつけて」とか。

殴る・蹴る・くすぐるなどの物理的攻撃
ボスの悪口をささやくなどの精神的攻撃
などは、


絶対禁止!




テンダー「腕相撲で力点・作用点の位置は変えられる?」

冒頭で説明したテコの原理を踏まえて、生徒に質問します。

各チームの生徒は、ボスに勝つための条件をあれこれと試しながら探ります。

さぁ、対戦だぁ!

各チームでまとめた条件をもとに、ボスである中脇先生に挑戦!

生徒自身の作用点の位置を変えたり。
人工肘で支点の位置をずらしたり。

注:ボス(中脇先生)は2人目くらいで疲れてしまったので、途中からボスはテンダーさんに交代しています。
さらにこのチームも作用点の位置を変えて。

テコの原理の威力に、ボスはなす術なく次々と敗北。。。

おまけ

ちなみに、腕相撲は力じゃないからね

第1回下克上腕相撲大会も、興奮冷めやらぬうちに無事終了して、
生徒も腕相撲に自信を持ち始めた…




そのとき


テンダーさんから衝撃のひとこと。



テンダー「ちなみに、腕相撲は力じゃないからね。


・・・・・



「えーーーーー」
テンダー「腕相撲のプロは、身体全体を使ってテコを効かすんだよ。」

その名も、「トップロール」と「フック」

生徒たちは唖然としながらも、実際にその技を見て、腕相撲の奥深さを感じましたとさ!

取材も入りました。

なんとこの日は、以下の二つの報道局が入りました。

・NHK国際放送局多言語メディア「NHK WORLD-JAPAN Radio」
・南日本新聞社

このうちNHK国際放送局による取材では、このサバイバル理科を含めたテンダーさんの活動の模様を録音。NHK WORLD-JAPAN Radioで17か国語に翻訳され、 7月30日(火)・31日(水)に放送されました。

番組ページはこちら!
7月30日 7月31日

音声の掲載ページはこちら!
7月30日 7月31日

なお、 音声は公開から一年後の2020年7月30日、31日まで聞くことができます。

次回の鳳凰高校サバイバル理科は〜?

さて、無事にテコの原理を学んだところで、
次回のテーマは「重いものを持ち上げる!」です。

トラッカーズヒッチなどのロープワークを通じて、これまた普段考える機会の少ない動滑車について深めていきます。

私も「動滑車って、中学校で少しやったかなぁ…」という程度の記憶。


写真には、何やら竹でできた巨大な建造物が出現していますね。
何が行われるのでしょうか…

みなさんも、ぜひ次回を楽しみに待っててください!
では!

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この記事を書いた人

鹿児島県南さつま市にある私立高校で理科の教員をやっています。生徒と一緒にワクワクしたい!そんな思いで日々活動をしています。

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