日本代表のお墨付きをもらい、その後細々と妻・麻里子が Precious Plastic Japanを立ち上げ、あんまり更新もしてないのに気づけばフォロワーさんが500名を超えるまでになっていた昨今。
・インジェクションマシン
・シュレッダー(これはハラダ精工さんに発注した)
・エクストルージョン
・アイロンプレス
・プラ溶接機(ヤフオク購入)
などなどの機器を豪華に揃えて、Precious Plastic Japan を名乗っても恥ずかしくない状況ではあるのだけど、プラスチックの使い方を全然説明していない! ということで、祝Precious Plastic Japanの初記事を書きます。 内容は、海外からも問い合わせのある「ペットボトルキャップからアクセサリーを作る」ですよ!
ご家庭用のアイロンと、簡単に手に入る道具だけでプラゴミから美しいアクセサリーができること請け合い!
(製作指導 / Precious Plastic Japan 麻里子)
目次
00 – 必要な道具

・ピンセット(先細が良い)
・アイロン
・クッキングシート ・あとはペットボトルキャップ(ポリプロピレン = PP = 極めて無害なプラスチック!)
・作りたいアクセサリーの枠(今回は100均モノを使用。シンプルな形状推奨)
01 – ペットボトルキャップをニッパーで切る

ペットボトルキャップをペレット(砕片)にする。
プラ用のシュレッダーがあればそれを使えば簡単だけど、まずご家庭にはないので、そんなときはニッパーを使いましょう。
切断した破片が飛び散らないように、親指で抑えながら切るのがコツ。

切り取るサイズは、小さいものから大きいものまで、デザインに応じていろいろあると使いやすい。
02 – クッキングシートを広げて、アクセサリー枠を置く。その中にペレットを盛る

クッキングシートは、アクセサリー枠が置ける広さの2倍があれば十分。

ここにアクセサリー枠を置き、ペレットを山盛り盛る!

横から見るとこれくらい。
ペレットの間には小さな空隙がたくさんあるので、これを溶かすとちょうど枠の中に収まるのです。

ペレットが足りなくて隙間が空きそうなところには、ピンセットでちょうど良い大きさのペレットを載っける。こういう細かい作業大事。
03 – いよいよアイロンをかけて、ペレットを溶かす!

手持ちのアイロンには温度表示機能がなかったので、一番熱い設定にして非接触温度計で測ったら200度前後でした。ポリプロピレンを変形させられるのはちょうどそのくらい。

しばし待って、ペレットが溶けてアイロンが沈む感覚を味わう。

このとき、アイロンの先端(尖ってる方)で、アイロン枠からはみ出ているペレットを擦り切ることで、仕上がりがきれいになる。


きれいに余分なペレットを擦り切れたら、アイロンをアクセサリー枠に乗せたまま、アイロンのスイッチをオフに。
ポリプロピレンは冷えるときに歪むので、急冷ではなくゆっくり冷やすときれいに仕上がります(=除冷)。ただし、急いでたくさん作りたい場合はアイロン以外の辞書なり重しなりを載せるのもアリ
3分くらいして、アイロンがほどほど冷えたら、クッキングシートを剥がしてみる。

お!きれいにできてますな!(まだ熱いので火傷に注意!)
このときに空隙ができていたり、きれいに詰まっていない場合はさらにペレットを盛って、クッキングシートを当てて再アイロン(Precious Plastic Japan では「追いプラ」と呼んでいます)。
裏も同じように
満足がいくできだったら、裏返して同じ手順(ペレットを盛って、クッキングシートを当てて、アイロンで加熱、沈み込むのを待ち、はみ出ているペレットをアイロンで擦り切る)。


そして裏面もゆっくり冷やし、クッキングシートを外す。
うまくいったかな?
04 – 余分なペレット外す

うまくペレットが擦り取れていれば、指でぺりぺりはみ出た部分をはがすことができる。


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作業時間にして15分くらい。とっても簡単なのでやってみてね!
上手になるとこんな感じのものが作れます!
ちょっとだけ補足説明
今回使っているペットボトルキャップはポリプロピレン(=PP)というものです。可塑性があり、有害物質が出ず、扱いやすいもの。168度から溶け始めるので、アイロン、オーブンなどで溶かすこともできます。
(ヒートガンなどでも溶けますが、局所的な熱で溶かすよりも、面の熱で溶かした方が造形しやすい実感です)
そして、 Precious Plastic Japanのインスタアカウントでは、麻里子さんと私が折々に作った制作物をアップしています。よかったらフォローしてね!
コメント
コメント一覧 (9件)
マイクロプラスチックでやってみたいのですが、ペットボトルキャップでないと有毒ガス等発生して危険ですか?
???
ご質問がよくわかりません。
マイクロなのかどうかといったプラスチックのサイズが問題なのではなく、材質が問題です。
ペットボトルキャップはポリプロピレンで毒性が低いとされています。
説明不足ですみません。ビーチクリーンで拾ったマイクロプラスティックなので、材質はわかりません。その状態で溶かすのは危険ですか?
水に浮かべたり、燃やしてみたりするとある程度材質の判別はできますよ。
判別のリストurlをお送りします(編集しないでください)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1lfp7VVAQZsbMVKlFUggc8kpmWYHDgVmREvQbrBfMrbE/htmlview#gid=0
ただし燃やすと良くないものもたくさんあるので、活性炭入りマスクなどを身につけてからが良いと思います。
慣れれば見た感じである程度判断できるようにもなりますけど。
アクセサリーもリストも大変参考になりました。ありがとうございます。
海で拾ってきた洗濯バサミの欠片などのプラスチックを水に浮いたもののみ水と重曹で洗ってアイロンで溶かそうとしてみたのですが、換気してもなかなかとれない程アンモニア臭のようなものがして心配になり中断してこのページで確認させていただいたのですが、水に浮いてるものなら体への害は心配ないという感じでしょうか。
海洋プラスチックだから溶かすと臭いという事もありえますか?
yokkoさん
水に浮くか浮かないかで安全性を判断するのはかなり大雑把だと私は思うので、
・まずは素材の表記を見る(PPとかPEとか)、
・わからなければ見た目で分ける(一般的に青い200LタンクはPEなど、ある程度決まっています)
・それでもわからなければ温度差での溶け具合を見る(PPかPEかで言えば、140度で溶ければ(流動すれば)PE、160度以上で流動すればPP)
てな感じですかね。
アンモニア臭が出ている時点で、PPでもPEでもないと思うので(もしくは他の何かが付着している)、やめたほうがいいと思います。
海洋プラだからどう、ではなくて、何がついてればどう、という話だと思います。
頂いた表以外にも色んな物が付着しているプラスチックがあるという事ですね。
臭いものは辞めておきます。
九州まではなかなか行けませんが、またオンラインセミナーなどもございましたら参加させて頂きたいと思います。
ありがとうございました。
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