気づけば、俺たちは旧太田小学校に迷い込んでいた。
何せ俺たちは、「防火カーテン」という名のトレジャーを求めていたんだ。あれがないと、宿泊業許可が取れないなんて、まったく世知辛い世の中さ。
時には、「理科室」というダンジョンで屍を踏みこえることもあった。
またある時には、財宝の蛇口がきっかけで、ロマンスに陥ることもあった。
防火カーテンにたどり着く前に、俺たちの馬車(車)は財宝でいっぱいになった。
「もう防火カーテンは諦めようか」パーティ内がふとそんな空気になった時ーーー。
とうとうたどり着いた。
防炎マークのついた、本物の防火カーテンだ。これさえあれば、保健所という名の竜の吹く、検査という名の炎から身をかわすことができる。ただの汚い布に見えないこともないが、大切なものは目に見えないんだぜ。
そりゃもう、俺たちは大喜びだ。
だけどなぁ、あんた、奇跡って信じるかい。
俺たちも、そんな幸運が続くなんて思ってもみなかったんだ。
何しろその先に、もっとすごいお宝があった。名うての勇者も手に入れられなかった、
特大ホワイトボード
俺たちのパーティには「ファシリテーター」という職業の石川ってやつがいるだろ?
あいつなんてもう大喜びさ。
「買ったら高いんだよ」なんて言ってたっけな。
石川はとうとう、ホワイトボードから離れずに、涅槃を始めたよ。
なに、古い話さ。
つい話し過ぎちまったよ。へへ。
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