ども。テンダーです。
決定版の「オープンソースコンポストを作るんだい!」と意気込みながら、
記事のURLスペルがopensauceになってて恥ずかしい思いを全世界に晒した前回。(正しくはopen source)
URLへのご指摘は幸い(?)なかったものの、完成直後にトラブル発生ですよ!
屎尿が増えてくると重くてハンドル回らない現象!!!
嬉々として用を足すこと3日目。
次第におがくずが濡れて重くなり、ハンドルが回らなくなる。
無理して回そうとしたら
グラップラー バキッという大きな音ともに、、、
3Dプリントギア破損
もう一回改良型のギアをプリントしてみるも、
即破損。
やっぱり尿を分離しないとダメか、、と落胆していると、金属加工の鬼である義父が登場。
「これはお前、ブレードの形状の問題よ!」と指導を受けて、
軟鉄フラットバーを鋭角にして取り付けるとさっきより回る!
義父いわく、これまでの形状だと丸棒でおがくずを踏み固めてるようなもんだから、
フラットバーを研いで鋭くし、さらに羽根を捻ればおがくずもうまく攪拌させられるだろう、とのこと。
さすが鬼。何聞いても知ってる。
その後研究を重ね、
- なるべく内壁面ギリギリにブレードが来るようにすると、動かすおがくずの量が半分で済む
- ブレードは、直線上じゃなく鎌形しておくと、おがくずに点で圧がかかり続けるので楽
という2点に気づいた。
それを元に、改良型を作成!
といいつつも、結構スタンダードな形。
結局ブレードについても汎用性の高さ(誰でも作りやすい形)を考えて、丸棒に戻ってきた。
これで不十分なことがあれば、さらに鋭利にしてみよう。
もうひとつの問題、軸とハンドルの接続
おがくずが重くなり、3Dプリントギアが壊れたのち、
3Dプリント時のPLAというプラスチックの密度を変えたり色々やってみたけど、やはりPLAにこの力は耐えられないもよう。
(ABSというプラで作れば解決すると思うけど、石油由来だから使わないんだもん!)
近所の機械屋さんからはセットカラーという部品を教えてもらうものの、割合高い。
四六時中考えながら、ある日ホームセンターに行くと、そこには・・・!
かつてイノシシ罠を作る時に使った、ワイヤーグリップ!!!
今回は9mm丸棒なので、9mm用のものを購入。一個100円。安い。
早速、軸とハンドルを一度に両方挟み込み、
回してみると大成功!
おがくずの圧にも負けず、ぐるぐると回る!
そしてこの時気づいた。
これで回るならギアいらないじゃん!
改良 → ギア外します
というわけで、3Dプリンタが揃う環境もまだまだ少ないだろうし、強度に難があったし、ギアやめます。
これにより、制作は一気に簡単に。なんだったら初めのPPシート溶着もなくてもいいかも。
そうすると、
- ゴミバケツ買ってくる
- バケツに穴を2つ開ける
- 攪拌ブレードを丸棒で作る
- 攪拌ブレードとハンドルをワイヤーグリップで接合する
- 座面を作る
以上、ってこと??
とっても簡単すぎやしないかい??
その後、このシステムでしばし運用。
以後ハンドルが回らないこともなく、調子よく運用できる。
そしてある日、また気づく。
これ、そもそも発酵してない・・・よね??
前から(自宅のコンポストトイレを使ってる5年前から)変だなー、変だなー、と思ってたものの、どうにも温度が上がってる様子がない。
そこで、今や発酵マスターとなってネパールまで農業支援に行っている鴨志田農園のかもしーさんにtwitterで聞いてみると、、、
さて、ブログ確認しました。
結論からいいますと、これだと温度が上がらないです。
ギャース! やっぱり??
かもしー先生いわく、
原因としては
①土着微生物の不在、微生物のエサとなる「こなもの(米ぬか、小麦のふすまなど)」のN分が挙げられます。②あと仕込み量を最低でも1000Lから3000L仕込むと発酵温度が持続し、良質な堆肥ができます。
③切り返しも、仕込み方によりますが、1週間毎がいいです。
おがくず対人糞だと堆肥でもなんでもなく、単なる堆肥材料のひとつととらえた方がいいと思います。もしくは、未熟堆肥。個人的に人糞処理の指導をするなら、脱糞したトイレに灰を混ぜて、一次処理(堆肥材料の保存が利く状態にする)をする。その後、ある程度処理したうんち(以下、一次品)がたまってきたら、一次品に対して20%のモミガラ(代わりにおがくずでも構わないですが、筋張った美味しくない野菜ができるので、おすすめしません。入れるなら、モミガラ20%のうちの10%分がおすすめです)、米ぬか10%、広葉樹落葉最低5種類10%、壁土(瓦屋根の壁土が最高です。)またはバージンの粘りけのある山土20%で、混合して水分60%調整で、温度があがると思います。
なんと・・・!
うんこは灰に入れると保存が効くとな・・・!
そんなこと、学校の先生は教えてくれなかったぞなもし!
(音大だったから?)
というわけで、情報を整理すると(私の理解レベルにおいて)、
- おがくずとうんこを混ぜたものは、堆肥にならない(堆肥を作るための材料の一つにしかならない)。
-
土着微生物を入れるために広葉落葉樹類と壁土が必要。さらに人糞だけだと窒素分が足らないので、米ぬかやふすまがいる。
-
切り返しは1週間に一回でいい。
-
コンポストトイレで作った堆肥をちゃんと使うのであれば、おがくずは適さない。モミガラの方が良い。
するってぇとですよ、
よく見る「おがくず式のドライコンポストトイレ」は、堆肥作りを目的とせず、うんこの扱いづらさを軽減することのみが目的なのではあるまいか。
うんこを巡る分岐点
そうなると、このプロジェクトの方向性として、
- うんこの取り扱いやすさを目的としたトイレを作るか
-
食糧生産まで含めたトイレを作るか
の分岐点が発生する。
実用面では、壁土とか粘土とかを入手するのが都会部では難しいだろうなぁ、などと考え続けること丸一日。
ずいぶん悩んで、ダイナミックラボでやるなら後者だなぁ、との結論に達した。
というのも、うんこの取り扱いやすさだけを解決するモデルを目的にしちゃうと、志において、結局水洗トイレと大差ないのではということ。(「処理」という考え方はシステム的に全体を解決しないと思う)
それに後者の方がダイナミック!
というわけで方針変換。
このトイレ内で発酵して完熟するところまでできて、なおかつその発酵熱で他の発酵食品も作れるくらいのプロジェクトにしよう!
それができた後に、引くとこ引いて簡素化しよう。
さらに!
なんとかもしー先生から、堆肥づくりのレシピも教えてもらった&公開しても良い、とのこと!
材量名%(バケツ1杯)
一次品(10杯)
モミガラ20%(2杯)
米ぬか10%(1杯)
落葉10%(1杯)
壁土20%(2杯)もしくは、
モミガラ2杯
おがくず入り人糞4杯
米ぬか1杯
落葉1杯
鶏ふん1杯
壁土2杯
なんかでも良い感じかもしれません。
うおー!
ありがとうございます。
というわけで、現状のおがくず+人糞の混合物は一旦土に埋めて、仕切り直し。
明日からふんばるぞー!
プロジェクトは「オープンソースコンポストトイレHAKKO(仮)」へ
とりあえずの方針としては、おがくずをやめる。
すると攪拌棒の形状もまた変わるであろう。
そして、
- モミガラ
- 灰
- 屎尿(しっことうんこ)
を初期材料として投入、比率は屎尿10:籾殻2:灰2くらいかなぁ。
かもしー提案に籾殻を足したのは、尿+うんこ+灰はデロデロになりそうなので、吸湿剤としてモミガラも初期投入。
屎尿分離案も改めて随分考えたけど、やはりはトイレの取り回しの大変さが段違いになる。
この一次品が溜まるまでの間は、用をたす度に灰を入れ、切り返しをする。
灰がきちんと混ざった方がうんこが臭くないとのこと。
ある程度、初期材料が溜まったら、
– 広葉樹の落葉類
– 壁土(粘土、腐植)
– 米ぬか
を投入。こちらは教わった通り、比率は屎尿10に対して、落葉1:壁土2:米ぬか1。
もしこれで温度が60度まで上がれば、その後は屎尿をある程度足していってもかさは減るはず。
いやー、楽しみだ!
便意は寝て待て!
続く!
コメント
コメント一覧 (5件)
その後はどうなったんですか??
元気に暮らしてますよ!
それは何よりなんですが、そうではなくて、、、(^^;
プロジェクト(オープンソースコンポストトイレHAKKO(仮))の方は、上手くいったのでしょうか?
自分も作れそうなら作ってみたいので、その後の状況をぜひ教えてください。
ただいま鋭意製作しておりまして、今月中には完成すると思います。
ずいぶん仕様が変わりましたが、良いものになっている。。。はず!
公開楽しみ!!