ダイナミックに作ってしまえ!

サブロク板(900mm*1800mm)を切断できる100Wレーザーカッターを自作する

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※ このページは「サブロク板(900mm*1800mm)を切断できる100Wレーザーカッターを自作する」の 5ページ目です

4. オラはやっちまっただトラブル集

電磁波すごいんですけど事件


電磁波というだけでニヤニヤし出す人いるけど(エセ科学の香りがするから?)、実際に電磁波過敏症気味の身としては切実な問題なわけです。


「レーザー加工するとなんか疲れるな、、、」とは思っていたんだけど、ふと気づいてトリフィールドメーター(電界と磁界を測る道具)をつけたら、

見事に振り切れ測定不能。


3Mくらい離れないと数値が落ちないくらい強い。


ガワの位置を変えた理由の一つがこれで、こんだけ電磁波出てるものの近くで座って見てる、という運用はありえないな、と思ったのでした。


よって、現在は、レーザーカッターを走らせた瞬間に3M離れる、というハイテクなのかローテクなのかわからない運用をしています。


また、この強すぎる電磁波(ノイズ)でどうやらハードリミットが誤動作するらしく、ハードリミットを入れているとレーザー出力の瞬間にエラーが出て止まっちゃう。


結果、ハードリミットをオフにして走らせるという恐ろしい運用になっていて、なんとかしたいのだけど、今のところ解決法なし。


(レーザー電源に通電するだけでも、磁界も電界も常時ある程度出ている)

X軸がビビって引っかかる事件!

プーリーがベルトに対してやや遊びがあることと、反対側(奥、写真には写ってない)のプーリー位置のわずかなズレがあった


X軸方向だけやたらビビり音が出る&精度が低い、と思っていて、おじいさんに相談したところ、なんと「2つのプーリー間の直線が多少ずれているから」とのことでした。これを揃えただけでビビり音がなくなり、精度も上がりました。

上から見て、ベルトが真っ直ぐなまま運用され続けるように調整する必要があった!


本当に小さいことの積み重ね・・・!

反射ミラー緩んで→調整ずれて→集光レンズユニットが加温されて→レンズ割れる事件!


完全に自分のせいなんだけど、ガワを設置するにあたり、構造上引っかかるところがあって、もうね、もう一回バラすのが面倒臭くてレーザーを設置したままグラインダーでそこを削ったの。ウィーン、ガガガガーって。


そしたらその振動で反射ミラー留めのネジが緩みまして、ミラーが緩んでごくわずかに斜めになっていたようで、レーザー光が集光レンズの変な場所にどうやら当たっていたもようなの。


その結果、集光レンズユニットがどんどん熱くなり、その熱で集光レンズが割れる、という大惨事が発生しました・・・。


集光レンズは割れたりトラブルが起きると、猛毒であるセレン化亜鉛のガスを出すので、扱い要注意です。この時はすぐに異常に気付いて換気して、特に大ごとにならずに済みました。恐ろしや!

袖燃える事件!

実際にレーザーを発しているレーザー管のようす


レーザーあるあるな話で、ミラーで反射している空中に手を突っ込んで、一回袖が燃えました。目じゃなくて本当によかった・・・!


当たり前なんだけど、レーザー光線軌道上に手が入れられる仕様はダメだ!

材料燃える事件!


カットの条件出しをしてて盛大に火が上がりました。消炎用のポンプもつけてるんだけど、むしろ火に酸素を注ぐ結果になり、火が大きくなっちゃう。

お写真右が消炎ポンプ。結構立派。左は噂の激光电源


これにより集光レンズは曇りが付いて交換へ・・・(2枚目)。

レーザーカッター水浸し事件×2回!

1回目。奴の名前は・・・ハイシェン!(2020 台風10号)事件


ダイナミックラボはコンクリ造2階建てなんだけど、夏に超強力な台風ハイシェンが鹿児島を襲った際、なぜか2階は雨漏りせずに、レーザーを作っていた一階の天井から盛大に雨漏りし、Arduino&モータードライバー周りが完全に浸水しました・・・。

悲惨な事故現場に当時の面影はない


完成間近だったのでとっても凹み、微かな希望を持ってドライヤーで基盤を乾かしたら何事もなかったかのように復活。今も使えてます。(電気接点部が地面にベタ置きにならないようしていたのが不幸中の幸い)


(雨漏りの原因は2階ベランダのシリコンシーリングの劣化からの浸水のようでした。現在修復済み)


1階でも、、、雨漏りするんだね!

2回目。レーザーカッターがマーライオン事件

こいつが犯人だ!


こちら、水冷系統を完成させるために作った異径ホースアダプタver1。首のところが細くてここから折れそうだなー、と思いつつ、


接続して運用したところ何事もなかったのでしばらくそのままにしていて、かつ慣れちゃってカット中に離れたら、、、


なんとアダプタの首のところが折れて、冷却水がレーザーカッターテーブルの下で吹き出て飛び出てマーライオン。


まさかの基盤2回目水没。今回は若干の余裕を持ってドライヤー治療、無事復活。


カット中は、レーザーから離れるのはやめよう!(自分に言い聞かせてる)

5. 次作るならこうするな!アイデア

A. Z軸の台形ねじを太くする&国内規格にする


前述の通り! さらにはGT2タイミングベルトも、より上位の太くて長いベルトに変えたい。

B. レーザー遮蔽シートよりUSBカメラ


これはもうね、絶対カメラにした方がいい。


なぜなら、レーザー遮蔽シートは全てのダメージのある光を遮蔽してくれるわけではなく、ごくちょびっとは透過する。けれどとても高価(幅10cm、長さ2M買ったら2万円でした)。


かたやUSBカメラはとても安価で、カメラ越しに見た映像は目にダメージがない、かつ肉眼では見れない場所にもカメラを配置できる。


特に、カットしたい材料の下側にカメラを置くと、実際にレーザーが裏まで貫通してるかチェックすることができる。状況によっては光源も必要かも。


この動画は、厚さ6mmのポリプロピレン板をカットしている様子。裏から見えれば切れてることが確実にわかる!

C. 電磁波によるハードリミット誤動作対策は、レーザー管からコントロールユニットを離すことで対応か??


電磁波は距離の二乗に反比例して弱くなる系の話なので、レーザー管の真下ではなく、もっと遠いところにコントロールユニットを置けば誤動作を防げるかも。


もしくはアルミ箔などでレーザー管を覆うか?(大丈夫かな・・・?)

D. 100Wレーザーで鉄を切れる噂・・・!


海外のDIYレシピサイト・instructablesにて、「CO2 Laser That Cuts Sheet Metal」という記事があり、


なんでも100Wレーザーで薄物鉄板を切れるらしい。


焦点のスポットを0.28mm2に絞れたら鉄は切れるとのことで、0.8mm鉄板でやってみたものの・・・


うーん、10パスして 0.1mm厚くらいしか切れてない。


ただ、この時にすでにレンズが傷んでた可能性もあるので、後日再チャレンジします!

D. 鉄切断用のトーチをつければ、CNCトーチになって鉄板切断ができる


海外の事例だと、これももうDIYしている人がちらほら出ている様子。XYZの3軸制御加工機械はもう基本的に作れると思うので、3Dプリンタも、CNCも、必要な大きさのものを今後は作れそう。

6. サブロクレーザー総括

A. 性能など


カットエリアは930mm*2020mmくらい。カットテーブルはもっと広いんだけど、焦点距離が5mmと短いために集光レンズユニットがぶつかるのでキワまで寄せられない、ということが作ってから分かった。ただ、サブロクは切れるので大満足。


切断能力は、合板で12mmいけるかどうか、というところみたい。落ち着いたらpekoさんと、焦点を絞れるまで絞って再テストしたい。12mmくらいあっさり切れて欲しかったので、切断能力はもう一声、というところ。


作ってから分かった気になる点は
・電磁波が強すぎるけど、これでいいのか? と、
・集光レンズが問題のある物質である こと。


集光レンズはセレン化亜鉛が入っていて、特定の免許を持っている業者じゃないと輸送も廃棄もできない。いろんなところに処分方法を聞いたけど、なかなかハードルが高い。


海外の文献を見ると、処理業者も結局コンクリで埋める、ということしか手がないみたいだけど、詳しくはまだ(私は)わからないというところです。

B. 製作費など


締めて材料費、ご予算20〜25万円ほど。


その他、pekoさんに謝礼をお支払いしたり、壊した材料があったり、間違えて買ったり、だんだん豪華にしたくなっちゃったりで合計30万円くらいかかったと思う。(特に遮光シートはいらなかった!)

ちなみに!
この企画は南さつま市の市民活動応援事業により10万円の助成をいただいています。ありがとうございます!


というわけで、大変長くなりましたがどえらいもん作りました!


ご協力いただいた皆さん、ありがとう!


ゆくゆくはこれで船と家を作るつもりです!

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